ドラセナ コンパクターの特徴
ドラセナ コンパクターは、さまざまな種類があるドラセナの中で、次のような特徴がある品種です。
・日陰でも育つ
・成長がゆっくりでコンパクトな樹形
・乾燥に耐える
・熱帯性の植物で低温には弱い
観葉植物の中ではとくに耐陰性があるので「あまり日光が入らないので観葉植物はムリかな」と思っていた部屋でも育てることができます。
成長期の夏でも左右に枝葉を伸ばさずに、コンパクトな樹形を保ったままゆっくり成長するので、難しい剪定をしなくても美しい樹形を保つことができます。
乾燥に強いので、夏に4~5日家を留守にしても枯れる心配はありません。むしろ、鉢土が乾く、濡れるのメリハリをつけることで健康に育ちます。
気をつけたいのは冬の低温障害です。夜間でも最低気温が8℃を下回らない環境で育てる必要があります。
冬越しに気をつければドラセナ コンパクターは初心者でも育てやすい観葉植物で、贈り物としても人気があります。花言葉は「幸福」で、玄関まわりに置くと幸せを呼び込むとされています。上向きの元気な葉のようすから、風水では金運を上げる植物とされています。
ドラセナ コンパクターの育て方
ドラセナ コンパクターは、置き場所を選ばない育てやすい観葉植物です。水やりと温度管理に気をつければ、室内やオフィスで元気に育ちます。
置き場所
耐陰性があるので、室内のどの場所にも置くことができます。もちろん、明るい場所の方が生育は早くなるので、できるだけ窓の近くがベターです。
逆に気をつけたいのは、夏の直射日光による葉焼けです。庭やベランダでは半日陰の場所に置く、窓際ではレースのカーテン越しにするなどで、強すぎる日光を当てないようにしましょう。
冷房や暖房の風は葉を乾燥させるので、エアコンの風が直接当たらない場所に置くようにします。
温度管理
熱帯性の植物なので、日本の冬の寒さは大きなストレスになります。暖房を使う部屋で育てて、夜間も8℃を下回らないような管理が必要です。
冬の窓際は屋外に近い温度まで冷え込むので、窓際から1m以上離しておきましょう。
水やり
ドラセナ コンパクターは乾燥に強い植物です。つねに鉢土が湿っているのは根腐れの原因になるので、土が乾いてから水をやる乾湿のメリハリが大切です。
春から秋(4月~10月)は鉢土の表面が乾いてから、鉢底がから水が出るまでたっぷり水をやりをします。鉢の受け皿に水が溜まっていると、根腐れの原因になるので気をつけましょう。
冬前から春先(11月~3月)は、乾燥気味に管理します。鉢土の表面が乾いてから4~5日後(真冬なら1週間後)に水やりをします。
葉水
葉にホコリがたまると美観を損ねるだけでなくハダニの発生原因になります。葉の裏表から霧吹きやシャワーで葉水をして、ホコリを洗い流してやりましょう。葉水は葉の乾燥を防ぐ効果があり、根に影響を与えないので毎日してもかまいません。
葉水は、風通しの良い場所で午前中にあげるのがコツです。夜間や、寒い時にあげて濡れたままにしておくと、葉にシミのような斑点ができることがあります。
肥料
肥料は生育期の4月~9月に与えます。それ以外の冬前から春先に肥料をやると根にダメージを与えるのでNGです。
おすすめの肥料は、粒状の緩効性肥料です。鉢土の上に置いておくだけで、水やりのたびに少しずつ溶けて成長を促進します。製品によって1ヵ月、2ヵ月など効果の持続時間が違います。
置き肥は一ヶ所に固めて置かないで、決められた量をばらけるように置きましょう。
固めて置くとその下の根だけ肥料分過多で傷みます。
液体肥料を決められた濃度に薄めて、2週間に1回程度与える方法もあります。
剪定
ドラセナ コンパクターはとがった葉先が黄色くなることがあるので、鋏で斜めにカットして、黄色い部分を取り除きましょう。
葉先のカット以外の剪定は5月~9月が適期です。
土から直接葉が出ているように見えるドラセナ コンパクターを購入した場合は、下の葉を何枚かちぎり取ると幹が見えるようになります。成長に合わせて下葉を取っていくことで、幹の上にこんもりと葉が茂るドラセナ コンパクター独特の樹形になります。
一度に葉を取りすぎると、そこから先の幹が細くなって不格好になるので、3~4枚くらいずつようすを見ながら取りましょう。
5月~7月なら、幹の先端の葉の部分をすべて切り落とす強剪定も可能です。残った幹から新しい葉が出るので、2つの新芽を育てると切り口の下から枝分かれした樹形に仕立てることもできます。
植え替え
同じ鉢で何年も育てていると、鉢の中の根が込み合って根詰まりを起こします。ドラセナ コンパクターは成長がゆっくりな植物ですが、3~4年に1度は一回り大きめの鉢に植え替えてあげましょう。
植え替えの時期は成長期の初めの5月~7月が最適です。
【植え替えの仕方】
植え替えの手順は次のとおりです。
1. 一回り大きな鉢に鉢底石を入れ、新しい用土を1/3ほど入れる
2. ドラセナ コンパクターを元の鉢から取り出して、古い土を優しくほぐし落とす
3. 黒ずんた古い根があれば切り落とす
4. 新しい鉢にドラセナ コンパクターを入れて、根の周囲に新しい用土を入れ足す
5. 鉢の底から濁った水が出なくなるまでたっぷり水をやる
用土にはできるだけ水はけが良いものを使いましょう。観葉植物用の培養土でOKですが、園芸用の軽石を混ぜるとさらに水はけがよくなり、根腐れなどのトラブル予防になります。
挿し木
ドラセナ コンパクターの育て方に慣れたら、枝分かれした枝の1本を切り取って挿し木し、増やすことも可能です。
切った枝の先端を斜めに切り、葉数を半分くらいに減らして、挿し木用の用土に挿して発根を待ちます。
ドラセナ コンパクターのよくあるトラブルと対処
ドラセナ コンパクターは日陰でも育ち乾燥にも強い、育てやすい植物です。その反面、水のやりすぎや冬の低温などに注意しないとトラブルを起こすことがあります。
根腐れ
水のやりすぎや水はけの悪い土で、鉢土がいつも濡れている状態だと、根腐れを起こしやすくなります。
鉢土がいつも濡れていると空気を取り込むことができず、嫌気性の雑菌が繁殖してアンモニアなどを発生して根を傷めてしまうからです。
【根腐れのサイン】
● 土の表面にカビが生える
● 土から腐敗臭がする
● 葉が黄色くなる
● 葉落ちする
● 幹がブヨブヨと柔らかくなる(重症)
根腐れのサインかなと思ったら、鉢から取り出して根のようすを見てみましょう。根が黒くなってボロボロともげるようなら根腐れです。
根腐れしている根があまり多くないようなら、取り除いて植え替えることで元気を取り戻す可能性があります。傷んでいる葉や多すぎる葉も取り除いて、残した根とのバランスを取ります。
根腐れは予防が大切なので、水はけのよい土で育てて、水のやりすぎに注意しましょう。
葉焼け
ドラセナ コンパクターは日陰に強い反面、強い直射日光には弱く、葉焼けを起こしやすくなります。夏は窓際の強い光や、庭やベランダの直射日光には当てないようにしましょう。
葉焼けした葉は回復しないのでもぎ取り、鉢を強い光の当たらない場所に移動します。
葉落ち
植物はストレスを感じると葉を落とすことがあります。ドラセナ コンパクターは、水のやりすぎや低温のストレスに敏感です。
夏に1ヵ月も水を切らすなどの極端な乾燥や、あまり暗すぎる環境もストレスになります。
花を咲かす
ストレスを受けると葉落ちするほかに、花を咲かせて次世代にバトンタッチしようとすることもあります。頂上部分に花芽が付いたら植物がストレスを感じているサインなので、ストレスの原因を探して取り除いてあげましょう。
ハダニ
ハダニはどの観葉植物にもつきやすい害虫で、ドラセナ コンパクターにもつくことがあります。
【ハダニが付いたサイン】
● 葉の裏に赤い粉のような小さな虫がついている
● 葉にクモの巣のような白い糸がついている
● 葉にポッポっと白い斑点ができる
ハダニが見つかったら、シャワーの水で洗い流しましょう。まだ残っているようなら布やティッシュでこそぎ落とします。
ハダニ対策も予防がいちばんです。こまめに葉水をすることでハダニの発生を予防できます。
ドラセナ コンパクターのまとめ
ドラセナ コンパクターは、幹の先端でこんもりと茂る葉が可愛らしい人気の観葉植物です。部屋やオフィスの少し暗い場所でも元気に育ち、何日か水やりを忘れても枯れてしまうことはありません。
成長はゆっくりですが、水はけと冬の温度管理さえ気をつければ初心者でも簡単に育てることができます。